木のねの作る器の風合いについて
木のねが作り出しています器の釉薬の種類は色々あります。主に制作の中心となっているのは「粉福(こふく)」です。粉福はもう十数年前から作っています。制作期間が長い事もあり器の形の種類がたくさんあります。楽しい時間をお過ごし頂けることを願って、あんな器こんな器があったらいいなと作っているうちにたくさん生まれました。今ではなかなか全てを作りきれておらず、心苦しい日々を過ごしております。
そして、他の種類は最近好評を頂いております「ブルーグレー」「キャラメリゼブラウン」「ホーローのような器」「飴釉・瑠璃釉」「Zakkaの器」「アンティークの器」「オリーブグリーン」「マカロンカラー」など他にもあります。
これら全ての釉薬は、木のねが長い時間をかけ試行錯誤の末調合した釉薬です。釉薬の材料のほとんどは天然素材を使用しています。天然素材とは木の灰や鉱物の事です。陶芸で使用できるよう綺麗な粉状にしてあるものを使用しています。それらの素材が高温で焼成して溶けて粘土の表面を覆い器へと変化します。
天然素材のものを使用する事は、焼きあじが自然であり、焼き上がった器の存在感が心に響くものとなります。ですが、とても不安定な焼き上がりを見せます。同じ焼成の窯の中でも上段と下段、釜の前側と奥側など焼き上がりがひとつひとつ違って焼きあがってきます。二つと無い面白さがありますが、違って焼きあがる幅の広さに戸惑うこともあります。
このような不安定さを解消した科学的に作られた釉薬も実はあります。どれも同じに焼きあがりますが焼きあじという面で納得できないために木のねでは使用しておりません。「歩留まりより焼きあじ」という考えで制作しております。
木のねの作る器を見て、全て違っているとお気づきの方も多いことと思います。以上のような理由でひとつひとつが違う表情の器となっているのです。子供たちがひとりひとり違う個性を持って育つのと同じではないかと思っております。ひとつひとつ違う器を愛情を込めて作っております。
個性ある器をじっくり楽しんでお使い頂きたいと強く願っております。