木のねの命の釉薬用の土灰(どばい)とは

2022年12月26日|木のね, 益子焼

木のねはたくさんの種類の釉薬を使用して制作しております。これらたくさんの釉薬の全てに使用していますのが通称「土灰(どばい)」という木の灰です。木を燃やした後に残るものです。

木の灰は簡単に言いますと素焼きした生地に掛けて高温にて焼成するとコーティングされたようにガラス質に変化してくれます。

木の灰だけでは陶器として使用できるものには仕上がりませんので、木の灰に「長石」や「土の成分」と同じものなど釉薬によって調合はそれぞれ異なります。調合比はテストにテストを重ね出来上がった独自の調合です。

調合する要の木の灰はあるところから譲って頂いております。木炭を焼成する業者さんの廃棄してしまうものを使用しております。頂いたものはそのまま使用する事はできません。ゴミや燃え残っている炭などを取り除き粒子の細かい物だけを使用します。

焼き物で使用出来るようになるまでのご紹介です。

左:燃え残った灰 右:目の荒いふるいにかけます
ふるいを通した灰と水を大きなバケツに入れかき混ぜます。
右:沈殿させます。しばらくの後にうわ水を捨てまた水を入れます。何度もそれを繰り返します

なぜ繰り返し水を捨てまた水を注ぐかと言いますと、木の灰はアルカリ分がとても強く触れると皮膚を痛めてしまいます。そのアルカリ分をぬく作業を行なっております。これを灰を洗うと言います。

アルカリ分が抜けたら、水を入れたバケツを掻き回し水の中に漂っている粒子の細かい液体を別のバケツに移します。このバケツに移した物だけを釉薬として使用します。大きなバケツに早く沈殿したものは釉薬として使用するのは純度が低く焼成するには向かないので使用しません。

このようにして釉薬用のいい材料として使用出来るよう木の灰を作り上げております。

焼きものは本当に地道な作業の連続です。

こうして木のねの釉薬の大切な土灰が出来上がっていきます。そして粉福やブルーグレーやマカロンやホローなどなど色々な姿になっていきます。

これからも頑張って作陶していきます。

木のね

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