粉福(こふく)という器につきまして

2021年9月13日|木のね, 益子焼

粉福の器

粉福の器は、赤土で成形をして化粧泥を施し白い器に仕上げています。酸素量を少なめにして焼成して器全体あるいは部分的に赤味を引き出しています。(御本手)また、酸素を少なくする事や、天然素材の釉薬の影響により黒い点々が見られます。

焼成窯での焼成は化学反応です。土と釉薬と温度によりひとつひとつの器がふたつとない風合いになり焼き上がります。御本手も黒い点々も化粧泥の日々模様も同じものはありません。

焼成窯

この窯に中に並べて焼成するのですが、窯の中での温度も一定ではありません。上段や下段、扉前や後ろかなどで温度に違いがあります。なので隣同士に置いたものでも違う表情になります。

色白さんと焦げ焦げさん
ひとつひとつ違いますね。

そのような違いが起こらないような合成されたものを使用すればどれも同じに出来上がります。木のねはそれを承知していますが、天然素材を使用し昔々の人々がきっと使用していたであろう天然素材を使い続け、天然素材ならではのしっとり優しい焼き上がりをした器を作り続け、皆さまに使って頂きたいと思っています。

器をお選びいただく際には、人がみんな違う顔をしているように器もみんな違って出来上がって来たんだとご了承下さいませ。

この子は色白さん、この子は焦げ焦げだねと声おをかけてみて下さい。器とコミュニケーションが取れるともっともっと器使いが楽しくなります。お皿が「今日はカレーライスを盛り付けて!」と言っている声がきっと聴こえて来ます。

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